保全生物学のすすめ 改訂版



保全生物学のすすめ 改訂版
生物多様性保全のための学際的アプローチ


リチャード B. プリマック・小堀洋美/共著
A5判 400ページ 定価(本体3,800円+税) 2008年10月18日発売
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生物多様性保全の理論と応用について、包括的に紹介した入門書。初版を大幅改訂し、保全生物学の新たな内容や進展について紹介するとともに、日本の生物多様性の現状と保全の取り組み事例も多数収録。

目次
 謝辞/まえがき
 第1章 保全生物学と生物多様性
[1]保全生物学の学際的アプローチ~ウミガメの事例
[2]なぜ保全生物学は必要なのか
[3]保全生物学の5つの倫理的原則
[4]保全生物学の起源
[5]生物多様性とは何か
  1.種の多様性
    1)種とは?  2)種の多様性とその評価
  2.遺伝的多様性
  3.生態系の多様性
    1)栄養段階  2)食物連鎖と食物網  3)キーストーン種とギルド
    4)キーストーン資源  5)生態系のダイナミックス
[6]地球上の豊かな生物多様性はどこで見られるのか
  1.地球上にはどれくらいの種がいるのか
[7]絶滅と経済学:価値ある何かが失われていく
  1.絶滅のパターン
  2.生態経済学
  3.共有財産としての資源
[8]生物多様性の直接的経済価値
  1.消費的使用価値
  2.生産的使用価値
    1)林産物  2)薬用生物
[9]生物多様性の間接的経済価値
  1.非消費的使用価値
    1)生態系の生産力  2)水資源と土壌資源の保全  3)気候の調節作用
    4)種の相互関係  5)指標生物による環境モニタリング
    6)レクリエーションとエコツーリズム  7)教育的および科学的価値
  2.潜在的利用価値
  3.生存価値
[10]倫理的考察
  1.ディープ・エコロジー(哲学的アプローチ)
[11]要約

 第2章 生物多様性の危機
[1]絶滅速度
[2]人為的原因による現在の大量絶滅
  1.海洋と大陸での絶滅速度
[3]島嶼生物地理学と現代の絶滅速度
  1.地域絶滅
[4]絶滅の原因
  1.生息地の破壊
    1)熱帯雨林  2)熱帯乾燥林  3)草地  4)ウェットランドと水系
    5)マングローブ  6)サンゴ礁  7)砂漠化
  2.生息地の分断化
    1)エッジ効果
  3.生息地の悪化と汚染
    1)殺虫剤汚染  2)水質汚染  3)大気汚染
  4. 地球の温暖化
    1)海洋環境への影響  2)温暖化による地球規模の影響
  5.乱獲
    1)商業的捕獲の問題
  6.外来種の移入
    1)島嶼に持ち込まれた外来種  2)水系における外来種の移入  3)外来種の侵入能力
  7.病気
[5]絶滅への道
[6]要約

 第3章 個体群と種のレベルでの保全
[1]小さな個体群の重要な概念
[2]小さな個体群が直面する問題
  1.遺伝的変異の減少
    1)近交弱勢  2)進化的適応力の消失  3)異系交配弱勢
  2.有効集団サイズ
    1)不均一な性比  2)子の数の変動  3)個体群の変動とボトルネック効果
  3.人口学的変動
  4.環境変動とカタストロフィ
  5.絶滅の渦
[3]応用個体群生物学
  1.個体群の研究手法
    1)生態学的情報の収集  2)個体群のモニタリング  3)個体群存続可能性分析
    4)メタ個体群
[4]新しい個体群の確立
  1.成功例に学ぶ
  2.新たな植物個体群の確立
  3.新しい個体群の確立に伴う課題
[5]生息域外保全戦略
  1.動物園
  2.水族館
  3.植物園と樹木園
    1)種子バンク
[6]種の保全のためのカテゴリー
[7]法律による種の保全
  1.国内法
    1)米国の絶滅危惧種法  2)日本の種の保存法
  2.国際的合意
[8]要約

第4章 生物群集レベルでの保全
[1]保護地域
  1.保護地域の分類
    1)保護地域の現状
  2.保護のための優先順位の決定
  3.優先順位決定のシステム
    1)種へのアプローチ  2)生物群集と生態系の保護  3)生物多様性センター
    4)ギャップ分析(欠落分析)  5)原生自然地域  6)国際的合意
[2]保護地域をネットワーク化するためのデザイン
  1.保護地域の大きさと特徴
  2.エッジ効果と分断化による悪影響を最小限にする方策
  3.保全ネットワーク
  4.生息地間のコリドー(回廊)による連結
  5.景観生態学と公園のデザイン
[3]保護地域の管理
  1.管理とモニタリング
  2.生息地の管理
    1)ウェットランド  2)キーストーン資源
  3.公園管理と住民
    1)ゾーニング
  4.公園管理の課題
[4]保護地域外での保全
  1.人間が卓越した地域での景観保全
  2.生態系の管理
[5]復元生態学
  1.代表的な生態系での復元
    1)都市域  2)ウェットランド  3)湖  4)草原  5)熱帯乾燥林
  2.復元生態学の未来
[6]要約

 第5章 保全と持続可能な発展
[1]国内の取り組み
  1.地方の立法措置
    1)ランドトラスト(土地信託)
  2.国家の立法措置
    1)国内法
[2]伝統的社会,生物多様性,持続可能な発展
  1.保全倫理と伝統的な社会
  2.地域住民と政府
    1)生物圏保護区域(ユネスコ)  2)現地農業保全  3)採取用保護地
    4)地域社会主導の保全  5)先進的な保全プログラムの評価
[3]環境保全と持続可能な発展に向けた国際的な取り組み
  1.国際的な合意と地球サミット
  2.日本国内における取り組み
  3.国際基金と持続可能な発展
    1)発展途上国への援助  2)債務の自然保護スワップ
  4.国際開発銀行と生態系の破壊
    1)開発援助のケーススタディ  2)インドネシアの移住計画  3)ブラジルの高速道路建設
    4)ダム建設計画  5)開発融資と環境
[4]未来に向けたアジェンダ
[5]保全生物学者の役割
[6]要約

 引用文献/索引

〈コラム〉
 BOX1 新しい種の起源
 BOX2 どのようにして種の名前はつけられるか
 BOX3 海洋島小笠原諸島に固有な植物
 BOX4 水生昆虫を生物指標に用いた河川の健康診断
 BOX5  秋の七草は五草になる?
 BOX6 「生きている川」を生存戦略として選んだ河原に固有な植物の運命は?
 BOX7 地球生態系の健康状態を診断する
 BOX8 ラムサール条約の登録湿地となった田んぼ
 BOX9 生息地の分断化が招いたマガンの消失
 BOX10 温暖化は何が問題で何をすべきか
 BOX11 お花見と気候変動
 BOX12 沖縄島での外来種マングースの駆除作戦は遅すぎた?
 BOX13 破壊がもたらす出血熱ウイルスの出現
 BOX14 保全活動家に変身した女性類人猿研究者トリオ
 BOX15 変わる動物園の役割
 BOX16 美しさゆえの悲劇
 BOX17 アフリカゾウの受難は再び?
 BOX18 西表島のイリオモテヤマネコ保全の多様な取り組み
 BOX19 棚田がもつ多様な生物保全機能
 BOX20 横浜市の官民学によるトンボ池の再生と,大学生を対象とした環境教育プログラムの実践
 BOX21 大学キャンパスのチョウのビオトープを活用した環境保全教育
 BOX22 環境基本法
 BOX23 自然再生推進法
 BOX24 NPOが可能にする「市民公共事業」による自然再生と 持続可能な社会形成
 BOX25 農業と生物多様性
 BOX26 世界の生物多様性と貧困
 BOX27 日本の新たな生物多様性国家戦略

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